BMW E46 窓が動かない・・・

BMW E46の定番中の定番トラブルが、パワーウィンドウ不良。
少しずつ時間をかけて、窓の開閉が遅くなってきます。なおも使い続けると、途中で止まって閉まらなくなることや運が悪ければいきなり窓が落ちてしまうこともあります。
リアウインドウが落ちた日には、フィルムなんか貼ってあったら最悪です。落ちると同時にフィルムが破れて無惨な状態になって、よけいな出費がかさむことは想像に難しくありません。
予防法は、窓を開けないこと以外あり得ず、もちろん窓を開けずにクルマに乗り続けることは不可能でありますので、できればパワーウィンドウの開閉が遅くなり始めたら、早急に対応をしたいところです。

窓がこのような状態で、閉めようにもモーターのうなり音だけが聞こえる、そんな症状が出始めたら、なるべく早めに手を打ちましょう。

修理に関しましては、ドアの内張をはずしてウィンドウレギュレーターと称するパーツを交換します。

これがウィンドウレギュレーターで、モーターの回転を、ケーブルに伝えてガラスを上下させる仕組みになっています。

この部分にモーターを挿入して、ケーブルを動かす仕組みです。 真ん中に黄色いグリスが注入されていますが、これは動きを円滑にする為で、グリス切れがトラブルの原因となることはほとんどありません。

ここにガラスを挟み込み、固定します。 この部分が壊れることもあります。

この緑色の滑車が壊れることがよくあります。

こちらの滑車もよく壊れます。

この部分も壊れます。
要は、どこも壊れると言うことです。
そして、どの窓も同じようなパーツで構成されていますので、使用頻度が高い窓から順番に修理をしていくことになります。

この車両は、助手席のレギュレーター不良でしたので、助手席のトリムをはずします。
運転席の場合は、この部分にミラーのスイッチがあります。

爪で引っかかっているだけですので、先が細いドライバー等で取り外します。
中にはトルクスボルトがあります。

ドアハンドルの後方にも、メクラ蓋があります。

蓋をとると、またトルクスボルトがあります

パネルをゆっくりと後方からはずします。 あわててやると、パネルに亀裂ができます。

またトルクスボルトがあります。

後側にもトルクスボルトがあります。

ドアトリムの下の方にもメクラ蓋があります。

はずすと、やはりトルクスボルトがあります。

ボルトを全てはずせば、のこりはクリップで固定されているだけですので、ドライバーなどでトリムをはずすことができます

はずすと、このような状態になります。 ドアロックのケーブルや各ハーネス類がありますので、気をつけて取り扱います。

ドアロックケーブルを取り外します

スピーカーの配線を取り外します。

トリムを取り外すことができれば、インシュレーターが出てきます。
スポンジ状のインシュレーターの役割は、防音と雨水の浸入を防ぐことで、インシュレーターが痛んでいる場合は交換が必要となります。
痛みがなければ、当然再利用できます。

インシュレーターをはずす前に、エアバッグをとります。
エアバッグが出始めた頃は、取り外すのに結構気を遣いましたよ。
さわると爆発するとか、配線をはずす時はマイナス側からとか色々噂があって、爆発して鼻が折れたとか歯が全部無くなったとかいろいろ言われました。時限爆弾を扱うようにビビリながらヘルメットをかぶって作業したり、厚手の毛布でくるんでエアバッグをはずしたりしてました。
エアバッグの作動処理マニュアルなんて本が出版されていたくらいですから。 まあ、乱暴に扱わなければ多分爆発はしないと思います。
こいつをはずすと、エアバッグの警告灯が点灯しますので、作業後にはテスターでリセットします。

ドアとウィンドウのコントロールユニットです。 これもはずして、衝撃を与えて壊さないようにします。
やっぱりよけいな出費はかけないようにしないといけませんから。

インシュレーターを取り外したところです。

ガラスを固定しているボルトをゆるめます。 作業しやすいように、穴が開いています。

次に、レギュレーターからモーターをとります。

ボルトをはずして、回してとります。

このように挿入されています。

レギュレーターをドアに固定しているナットをはずします。

そして、ドアの中でゴソゴソやってレギュレーターを取り外します。

今回は、ワイヤーに取り付けられている、ガラスを固定している部分がレールから脱落して、作動障害を引き起こしていました。

ここからは組み付け作業です。

ゴソゴソと知恵の輪をやるように、レギュレーターをドアに入れていきます。 入る角度が決まっているので、取り外す時の状態を覚えていないと入りません。

レギュレーターにモーターを取り付けます。

ドアにインシュレーターを貼る時、必ずチェックする必要がある場所が、この部分です。
インシュレーターをドアにブチルゴムを使用して貼り付けます。

ブチルゴムです。 粘土状のネバネバしたゴムで、接着剤の役割と雨水進入を防ぐ役割をしています。
このゴムの劣化が、室内浸水の原因のひとつです。

ボルトの穴の位置を確認しながら、インシュレーターをドアに貼り付けます。
あとの組み付けは、取り外しの反対です。きちんと取り付けないと、トリムが浮いてドアが閉まりません。

で、点灯したエアバッグ警告灯ですが、

診断ソケットが運転席の足下にあり、

蓋をはずして、

診断機を接続します。

これは当店で使用しているサブの診断機です。 持ち運びができて、非常に便利です。

リセットすると、警告灯が消灯します。
今回のウィンドウ開閉不良は、ウィンドウレギュレーターが原因でした。 2ドアのクルマは最悪2回は、4ドアなら4回経験する可能性があるトラブルです。 絶対になる訳ではなく、運が良ければ経験しない人もいます。
パワーウィンドウのトラブルは国産車でも多いですから、あまり神経質にならない方がいいかも知れません。
ごく希に、ウィンドウモーターが焼けて開閉不良になるケースもあります。 まずは診断してからの作業となります。

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