BMW E36 M3 水回り総合メンテナンス

BMW E36 M3の水回りの総合メンテナンスです。
この車両は、なんと走行距離が18万キロで、各部にそれなりの時限爆弾を抱えた車両でした。
しかし、頑丈に作られたエンジンは、気持ちよくフケ上がるので「まだまだ大切に乗りたい」と考えるオーナー様の意向を基に、まずは肝心要の水回りのメンテナンスに着手しました。

今回のメンテナンスで使用するパーツは、
・ラジエター
・ラジエターホースアッパー
・ラジエターホースロア

サーモスタット

刻印で、80℃で開く表示があります。

ウォーターポンプ

ウォーターポンプのガスケットとサーモスタットのOリング

その他、LLCを用意します。

作業準備で、アンダーカバーを外し、スペースを確保。
オイル漏れ等も、同時に点検。
見たところ、若干のオイルにじみはあるものの、オイルのしずくが垂れている様子はありませんでした。

ラジエターは、至るところにクーラントが漏れた跡が残っています。

ラジエターのドレンが詰まっていて、クーラントが排出できない為、エンジンのドレンからクーラントを排出。

特殊工具でラジエターファンを取り外します。

ラジエターファンとシュラウドを同時に外します。

サーモスタットハウジングのホース取付部は、クーラントが漏れて固まりになって付着。

ホースを取り外すと、口の周りは上下共にクーラントのカスでガビガビに固まっていました。

取付時には、汚れを全て取り除きます。

取り外したラジエター。

プラスチック部分は、割れている場所などは無く、まだまだ使えそうな状態でしたが・・・

プラスチックと金属部分の接合部は、劣化によりクーラントが漏れ始めています。

ラジエター及び、ベルト類を取り外した。

クランクプーリーの上部にはエンジンの回転数をモニターする、クランクセンサーが取り付けられています。
ヘッドカバーからのエンジンオイル漏れが激しく、センサーはオイルと埃が溜まり、タールでコーティングされた様な状態に。

通常は、オイルが漏れてオイルパン付近を汚す事が多いのですが、このクルマのケースでは、汚れが付着しすぎて、下に垂れる前に更なる汚れとして堆積している様です。

このクランクセンサーの働きは重要なので、一応汚れを清掃しました。

様々な影響を考慮して、交換をお勧めしたのですが、今回は見送りとなりました。

ベルトの回転に重要な、アイドラープーリーやテンショナーなどを空転させてチェックすると、ベアリングの寿命で異音が出始めていました。

取り外したプーリー。
全体に錆びていて、ベアリングも痩せてガタが出ています。

交換をお勧めしましたが、今回は見送り、後日交換となりました。

取り外したサーモスタット。
機能上の問題は、現時点ではありませんでしたが、走行距離を考えると、心配な部品。

同じく、ウォーターポンプ。
エンジンの汚れ方から見ると、ポンプ本体の汚れは少なく、一度か二度交換したことがあるかもしれません。

一通り部品を取り外し、各部の清掃をして組み付けて行きます。
車種を問わず、冷却系は非常に重要なメンテナンスです。
オーバーヒートによって、エンジンに重大な影響を及ぼす場合もあり、また放置しておくことで、二次トラブルの原因になることもあります。
走行距離と使用時間を考えて、適切なメンテナンスをお勧めします。

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